― プロフィール ―

日本フリースタイルカヤックの第一人者として、数々の世界大会に参戦、好成績を収めるトップアスリートでありながら、昼間は自立支援施設のスタッフとしてより良い職場づくりを提供する。最近では、日頃の川への感謝の気持ちをこめて仲間たちとリバークリーンイベントを開催している。

   

八木 達也

 

 大学卒業後より障害者の授産施設に勤務する。正直、まったくわからない世界だったがモノではなく人相手の仕事には単純に興味があり、相手が障害者・健常者と言うことは僕にとって大差なかった。数名の職員で作業を通して障害を持った方たちの自立を支援している・・・と言うと仰々しいが仕事の内容としては「町の印刷屋さん」。注文を受けた名刺や封筒などをはんこ式の印刷機で一枚一枚の手作業で印刷をする。気持ちよく働ける環境の提供が主な仕事である。
 よりきめ細かいサービスを提供するために僕たち職員だけではなくボランティアさんに色々なところでお力拝借。数年前から『ボランティアコーディネーター』として下は中学生から上はリタイヤされた方まで、ボランティアさんのまとめ役を行っている。

 就職を機に東京都青梅市へ移り住み、自宅から川まで数分という環境がとても新鮮であった。
そんな中出会ったのがリバーカヤックだった。
 僕を魅了したのはカヤックの中でも小さめなボートで楽しむ「フリースタイルカヤック」。川にできる大きな波でのサーフィンや、流れの落ち込みにできるホールでアクロバティックなムーブ、スリリングなダウンリバー・・・夢中になった。それからは仕事が終わってから川へ行き、夜になれば車のライトを頼りに、週末は朝から日が暮れるまでカヤックを漕ぐ生活。

 フリースタイルカヤックは45秒のライディングの中でどれだけ難易度の高いムーブをくりだせるかが見せ所。自分がどれだけトレーニングをしてきたかも重要だが、勝負のカギは実は「相手が自然である」こと。川は思い通りに流れてくれるはずもなく、ムーブを阻まれ何度も悔しい思いをした。カヤックの経験があれば水面と自分との近さに驚きを感じたことがあるはず。ましてやフリースタイルは3Dの世界。一見すると激流にもみくちゃにされるようなもので水との一体感が無ければただの独りよがりになってしまう・・・川と上手にコミュニケーションをとることの重要さをわかり、川との対話ができるスポーツだということに気がつく。

 現在ではジャンルを問わず様々なパドルスポーツに挑戦。なんでも吸収しようという貪欲さ、こだわりがあってないのが長所?!…それによって自分自身のパドリングの技術、仲間、カヤックについての考え方に広がりができてきたような気がしている。
 カヤックはボートにパドル、必要最低限の装備、そして「川」さえあれば楽しめてしまう。世界中どこに行っても「カヤックと川と自分」という関係は変わらない。

 最近ではそんな川へ感謝をこめて…仲間たちとリバークリーンと親睦を深めるイベントを開催する。ホンのちょっとでも川へのご恩返しになれば…なんて。
これからも世界を相手に走り続けて行きたいと思うのと同時に、このスポーツを気持ちよく、そして愛してやまない川を本来の姿で楽しめるよう活動していきたい。

 そして職場の仲間たち、利用者の方々、大会のたびに長期の休みをもらい迷惑をかけているにもかかわらず、遠征や大会に向かう僕を気持ちよく送り出してくれる。本当に感謝!!

   
 

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